天命に安んじて
人事を尽くす清沢 満之
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。自分にできる限りのことをした後は、その結果を天にまかせる。努力することの大切さとともに、人の力ではどうにもならないことがあると教える言葉です。
これに対して、清沢満之は、
「天命に安んじて 人事を尽くす」
と語りました。
「人事」と「天命」の順序が逆になっています。まず努力して、その結果を待つのではありません。自分を超えた大きなはたらきの中にあることに安んじ、そこから、今できることを精いっぱい尽くしていくのです。
私たちは、結果が見えなければ不安になり、努力が報われなければ、自分の歩みまで無意味だったように感じてしまいます。しかし、思いどおりの結果を得たときだけ、私たちの人生に価値が生まれるのでしょうか。
阿弥陀さまの光は、成功したときだけ私たちを照らすのではありません。迷い、立ち止まり、力を尽くせない私をも見捨てず、照らし続けてくださいます。頑張ったから、阿弥陀さまに受け止めていただけるのではありません。すでに受け止められているからこそ、結果への不安に縛られず、今日の人事に精を出すことができるのでしょう。
大きな空の下、風に身をまかせながら、精いっぱい穂を伸ばすススキのように。

