獅子吼短信 383

好きになれない
はずがない
                   

山田 五郎

私たちは、知らないものや興味のないものを、つい遠ざけてしまいます。
見ようともせず、「自分には関係ない」「きっとつまらない」と決めつけてしまうことも少なくありません。

「好きになれないはずがない」
この言葉は、美術評論家として多くの人に美術の楽しさを伝え続けた山田五郎さんの言葉です。
山田さんは、もともと興味のなかった分野でも、「多くの人が魅力を感じているのだから、きっと好きになれる理由がある」と考え、自ら飛び込んで学ばれたそうです。

好きなものを探すのではなく、
目の前にあるものの魅力に気づいていく。

そんな眼差しは、人だけでなく、日々の暮らしや人生にも向けられるのではないでしょうか。
阿弥陀様は、誰一人として見捨てることなく、すべてのいのちを等しく見つめてくださいます。
「好きになれないはずがない」という言葉は、ものや人を選り好みする私たちの心を、静かに問い返してくれているようにも思います。