獅子吼短信 276

村のまつりは 夏のころ
ひるまも花火をたきました
秋のまつりは となり村
日傘のつづく 裏みちに
地面(ヂベタ)のしたに 棲むひとが
線香花火を たきました
あかい あかい 曼珠沙華

金子みすゞ

彼岸花を地底に住む人の花火に見立てた金子みすゞの詩。この花の別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」はサンスクリットに由来し、お釈迦様が説法を説かれた時に天から降ってきた天上の花を指す言葉。緑のあぜ道に真っ赤な花を咲かせ、毒にも薬にもなる彼岸花は、彼岸と此岸、天の上と地の底、目の前に広がるこの世界とは別の世界に思いを馳せさせてくれます。


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