獅子吼短信 273

ふればぬれ ぬるればかわく 袖のうえを
あめとていとう 人ぞはかなき

一遍上人が、通り雨に見舞われた尼僧たちが慌てて袈裟や衣を脱ごうとした様子を見て詠まれたそうです。雨が降れば濡れ、濡れれば乾く、それだけのことなのに、一時の雨に濡れる衣服にこだわり雨を嫌がってしまう。そんな人間の心の頼りなさが微笑ましい光景を通して描かれています。

時宗の開祖、一遍上人は、親鸞聖人より少し若い世代で、法然上人の浄土思想を学び、お念仏を身体を使って表現する「踊り念仏」を行い、鎌倉時代の浄土仏教の発展に大きく貢献された方。


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